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児童福祉法28条事件の動向と事件処理の実情(2)

平成13年11月20日〜平成14年11月19日
最高裁判所事務総局家庭局

  1. 児童福祉法28条事件の動向
    児童福祉法28条事件の申立件数は,別紙のとおりであり,平成13年には169件となり,平成元年の約12倍,対前年比の約1.2倍という急激な伸びを示したが,平成14年には129件と若干減少した。
     本資料は,児童虐待の防止等に関する法律(以下,「児童虐待防止法」という。)が施行されて2年目に当たる平成13年11月20日から平成14年11月19日までに,全国の家庭裁判所で終局した児童福祉法28条事件のうち,116件の事案の特徴を分析し,併せてその事件処理の実情を紹介するものである。

    児童福祉法28条事件
    児童福祉法28条事件

    児童福祉法28条事件の新受・既済件数推移
    ※本表は、「司法統計年報」による。平成14年度の数値は速報値である。
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  2. 児童福祉法28条事件の実情
    (1) 通告者別件数(資料1)
    ○通告者別件数をみると,警察等が25%,学校等16%,医療機関12%,児童福祉施設9%などとなっており,関係機関から通告された割合が70%を占めている。一方,家族が11%,親戚が3%などとなっている。
    • 通告者別件数は,被虐待状況を児童相談所に通告した機関(者)を集計したものである。なお,児童福祉施設の中には保育所からの通告6件が含まれている。
    • その他の中には,児童の家出先の同級生の親等が含まれている。

    児童福祉法28条(2年目)
    通告者別件数(資料1)児童福祉法28条(2年目)
    児童福祉法28条(1年目)
    通告者別件数(資料1)児童福祉法28条(1年目)
    (2) 児童の年齢別件数(資料2)
    ○児童福祉法28条事件(以下「法28条事件」という。)の対象となった児童の年齢別割合を見ると,小学生が38%,3歳から学齢期前の児童が25%,中学生が16%などとなっているのに対し,0歳から3歳未満が14%となっている。なお,0歳の児童の法28条事件は7件(6%)あった。
    ○小学生,中学生,高校生など,学齢期以上にある年齢の児童の割合は,全体の61%を占めている。

    児童福祉法28条(2年目)
    児童の年齢別件数(資料2)児童福祉法28条(2年目)
    児童福祉法28条(1年目)
    児童の年齢別件数(資料2)児童福祉法28条(1年目)
    (3) 児童の性別と年齢別件数(資料3)
    ○法28条事件の対象となった児童の男女比は,男子が42%,女子が58%となっている。
    ○児童の性別と年齢の相関関係を見ると,0歳から3歳未満で男子の割合が56%であるのに対し,高校生・その他では女子の占める割合は88%となっている。

    児童福祉法28条(2年目)
    児童の性別と年齢別件数(資料3)児童福祉法28条(2年目)
    児童福祉法28条(1年目)
    児童の性別と年齢別件数(資料3)児童福祉法28条(1年目)
    (4) 保護者の関係別件数(資料4)
    ○法28条事件の対象となった保護者の関係を見ると,実父と実母が31%,実母のみが28%,実父のみが13%,実母と養父が13%などとなっている。

    児童福祉法28条(2年目)
    保護者の関係別件数(資料4)児童福祉法28条(2年目)
    児童福祉法28条(1年目)
    保護者の関係別件数(資料4)児童福祉法28条(2年目)
    (5) 主たる虐待者別件数(資料5)
    ○法28条事件における主たる虐待者を見ると,実母が48%,実父が36%,実父以外の男性が12%などとなっている。
    ○実父以外の男性の内訳は,養父8%,実母の内縁の夫4%となっている。

    児童福祉法28条(2年目)
    主たる虐待者別件数(資料5)児童福祉法28条(2年目)
    児童福祉法28条(1年目)
    主たる虐待者別件数(資料5)児童福祉法28条(1年目)
    (6) 虐待の態様別件数(資料6)
    ○法28条事件における虐待の態様別件数を見ると,ネグレクトが40%と最も多く,次いで身体的虐待が32%,心理的虐待が22%,性的虐待が6%となっている。
    • 虐待の態様については重複集計したものである。

    児童福祉法28条(重複集計あり)(2年目)
    虐待の態様別件数(資料6)児童福祉法28条(重複集計あり)(2年目)
    児童福祉法28条(重複集計あり)(1年目)
    虐待の態様別件数(資料6)児童福祉法28条(重複集計あり)(1年目)
    (7) 終局区分別件数(資料7)
    ○法28条事件の終局区分については,認容が82%,取下げが13%,却下が5%となっている。
    • 取下げの事例の多くは,家庭裁判所に係属中に保護者の同意が得られたというものである。
    • 却下事例には,保護者が同一である4人きょうだいの事案(統計上は4件と計上される。)が含まれている。

    児童福祉法28条(2年目)終局区分別件数(資料7)児童福祉法28条(2年目)
    児童福祉法28条(1年目)
    終局区分別件数(資料7)児童福祉法28条(1年目)
    (8) 審理期間別件数(資料8)
    ○2か月以内に38%の事件が,3か月以内に63%の事件が終局している。
    ○法28条事件の平均審理期間は99日である。
    • 審理期間が最も短かった事例は18日,審理期間が最も長かった事例は462日である。
    • 審理に長期間を要した事例には,関連する訴訟の帰すうを踏まえて判断をする必要があったものがあった。

    児童福祉法28条事件審理期間別割合(2年目)
    審理期間別件数(資料8)児童福祉法28条事件審理期間別割合(2年目)
    児童福祉法28条(1年目)審理期間別件数(資料8)児童福祉法28条(1年目)
    (9) 申立人代理人選任率(資料9)
    ○弁護士が申立人代理人に選任されている法28条事件は,全体の28%となっている。

    児童福祉法28条(2年目)
    申立人代理人選任率(資料9)児童福祉法28条(2年目)
    児童福祉法28条(1年目)申立人代理人選任率(資料9)児童福祉法28条(1年目)