右メニューへスキップ  メインコンテンツへスキップ(スクリーンリーダーをご利用の方、キーボード操作の方のアクセシビリティ向上のため設置)



メニューを飛ばす


裁判所トップページ > 裁判所について > トピックス > 刑事事件Q&Aの更新について


刑事事件Q&Aの更新について

刑事手続の運用についてよりよくご理解いただくため,以下の刑事事件Q&Aについて統計情報を追記しましたので,ご覧ください。

Q. 逮捕とは何ですか。
Q. 勾留とは何ですか。
Q. 保釈はどのような場合に認められますか。
Q. 刑事裁判はどのくらいの時間がかかるのですか。

Q. 逮捕とは何ですか。

A. 逮捕とは,罪を犯したと疑われる人(被疑者)の身柄を拘束する強制処分です。
 逮捕には,裁判官が発付する令状によって行われる令状による逮捕と現に犯罪を行っているか,犯罪を行い終わって間がない場合などで,人違いなどのおそれがないと考えられるため,逮捕状が必要とされない現行犯逮捕とがあります。
 前者には,事前に裁判官が「逮捕することを許可する」旨の令状(通常逮捕状)を発付して行われる通常逮捕と,一定の刑罰の重い罪を犯したと疑われる場合で,逮捕状を請求する時間がないときに,まず被疑者を逮捕し,その後直ちに「その逮捕を認める」旨の裁判官の令状(緊急逮捕状)発付を求める緊急逮捕とがあります。
 平成30年においては,通常逮捕状請求数のうち却下及び取下げの件数が占める割合は,1.46パーセントであり,緊急逮捕状請求数のうち却下件数が占める割合は,0.34パーセントでした。なお,最近10年間の逮捕状請求事件の処理状況等については,こちら(PDF:108KB)をご参照ください。

 逮捕は,警察官がする場合と検察官がする場合とがありますが,警察官が逮捕した場合には,原則として,逮捕から48時間以内に,被疑者を釈放するか事件を被疑者の身柄付きで検察官に送る(送検)かを判断しなければならず,送検した場合は,検察官は身柄を受け取ってから24時間以内,かつ,逮捕時から72時間以内に勾留請求をしない限り,被疑者を釈放しなければなりません。
 また,検察官が逮捕した場合は,原則として,逮捕から48時間以内に勾留請求をしない限り,被疑者を釈放しなければなりません。つまり,逮捕による身柄拘束時間は,警察官が逮捕した場合は最大72時間,検察官が逮捕した場合は最大48時間ということになります。

Q. 勾留とは何ですか。

A. 勾留は,身柄を拘束する処分ですが,その中にも被疑者の勾留と被告人の勾留とがあります。
 被疑者の勾留は,逮捕に引き続き行われるもので,罪を犯したことが疑われ,かつ,証拠を隠滅したり逃亡したりするおそれがあるなどの理由から捜査を進める上で身柄の拘束が必要な場合に,検察官の請求に基づいて裁判官がその旨の令状(勾留状)を発付して行います。
 平成30年においては,勾留請求数のうち却下及び取下げの件数が占める割合は,5.90パーセントでした。なお,最近10年間の勾留請求事件の処理状況については,こちら(PDF:94KB)をご参照ください。
 勾留期間は10日間ですが,やむを得ない場合は,検察官の請求により裁判官が更に10日間以内の延長を認めることもあります。また,内乱等のごく例外的な罪に関する場合は,更に5日間以内の延長が認められています。

 これに対し,被告人の勾留は,起訴された被告人について裁判を進めるために身柄の拘束が必要な場合に行われますが,罪を犯したことが疑われ,かつ,証拠を隠滅したり逃亡したりするおそれがあるなどの理由が必要な点は,被疑者の勾留の場合と同様です。
 勾留期間は2か月で,特に証拠を隠滅するおそれがあるなど必要性が認められる限り,1か月ずつ更新することが認められています。

Q. 保釈はどのような場合に認められますか。

A. 裁判所は,被告人が証拠を隠滅したり,逃亡するおそれがある場合に勾留しますが,勾留はあくまで裁判を進めるための手段ですから,被告人の身体の自由を奪わなくても,他の方法で同じような目的が達せられるのであれば,その方が望ましいわけです。
 そこで刑事訴訟法は,被告人が一定の保証金を納めるのと引換えに,被告人の身柄を釈放し,もし,被告人が裁判中に逃亡したり,裁判所の呼出しに応じなかったり,証拠を隠滅したりした場合には,再びその身柄を拘束するとともに,納められた保証金を取り上げること(没取)ができるように保釈という制度を設けています。保釈には,請求による場合と裁判所の職権による場合とがあります。

 勾留は,被告人の身体の自由に対し大きな制限を加えることになりますから,保釈の請求があれば,裁判所は一定の場合を除いて必ずこれを許さなければならないこととされています。これを権利保釈といいます。しかし,殺人や放火などの重大な犯罪を犯したとして起訴されている場合,犯罪の常習者である場合,証拠を隠滅するおそれがある場合など,法律で定められたいくつかの場合に当たるときには,権利保釈の例外として,保釈の請求があっても,裁判所はこれを許可しないことができます。
 もっとも,この例外に当たる場合でも,具体的事情によっては,裁判所の判断で保釈を許可することができます。これを裁量保釈といいます。

 保釈の請求は,被告人自身のほか,配偶者,親などの近親者や弁護人からすることができます。この請求は,起訴があれば,公判が始まる前でも後でも,判決が確定するまではいつでもすることができます。

 保証金の額は,裁判所が,犯罪の軽重,被告人の経済状態,生活環境などの一切の事情を考慮して,その事件で被告人の逃亡や証拠の隠滅を防ぐにはどのくらいの金額を納めさせるのが適当かを判断して決めます。
 保証金は現金で納めるのが原則ですが,裁判所の許可があれば,株券などの有価証券を代わりに納めることもできますし,場合によっては,保証金の一部の納付に代えて,雇い主や親,兄弟などの身元引受人が保証書を差し出すことも認められています。この保証書を差し出した者は,保釈が取り消されて保証金を没取されることとなった場合には,保証書に記載した金額を納付する義務を負うことになります。
 保証金は,被告人が間違いなく公判に出頭するようにするためのものですから,保釈を取り消されて没取されることがなければ,裁判が終わった後には,その結果が無罪でも有罪でも,納めた人に返還されます。

 平成30年の保釈率は,32.1パーセントでした。なお,最近10年間の保釈事件の処理状況については,こちら(PDF:103KB)をご参照ください。また,自白・否認別の比較については,こちら(PDF:136KB)をご参照ください。

Q. 刑事裁判はどのくらいの時間がかかるのですか。

A. 憲法は,迅速な裁判を受ける権利を保障していますが,具体的な事件の裁判がどのくらいの時間を要するかは,事件の種類や内容その他の様々な事情によって変わってくるため,一概にはいえません。それでも,「遅れた裁判は裁判の拒否に等しい」ということわざもあり,迅速な裁判の実現は,裁判に携わる者が目指すべき重要な課題であることは当然です。
 そのため,第1回公判期日が開かれる前から当事者(検察官及び弁護人)に十分な訴訟準備を求めたり(事前準備),公判期日の間にも,当事者に裁判所に来てもらって,必要な準備を促したりすることもあります。
 また,事件が複雑であるなど必要がある場合には,公判前整理手続を行い,事件の争点と証拠を整理して審理計画を立てた上で,公判に臨むこともあります。あらかじめ審理計画を立てることによって,裁判を計画的かつ迅速に行うことができるわけです。
 ちなみに,日本の刑事裁判は長引くということがしばしば指摘されますが,通常は,起訴された後,3か月前後で判決が出されており,これは諸外国に比べても決して遅くはありません。また,即決裁判手続や略式手続で終わる事件は,ごく短期間に終結します。
 平成30年の平均審理期間は,自白事件については2.7月,否認事件については9.2月,事件全体では3.3月でした。なお,最近10年間の平均審理期間については,こちら(PDF:108KB)をご参照ください。

 なお,公職選挙法には,一定の罪に係る事件につき,事件受理から百日以内に判決をすべきであるとの規定があります。百日裁判と呼ばれますが,これは,当選者自身が選挙犯罪の被告人である場合や,いわゆる連座制の適用がある事件などに適用されるものです。こうした事件では,迅速な裁判実現のために,当事者の協力が特に強く求められます。


 法務省ウェブサイトで制度等についてのQ&A形式の説明をご覧いただけます。