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憲法記念日を迎えるに当たって

平成30年5月

憲法記念日を迎えるに当たって

最高裁判所長官   大谷直人

 日本国憲法の施行から71周年となる記念の日を迎えました。
 裁判所には様々な紛争が係属しますが,社会経済情勢の急速な変化や価値観の多様化の進展といった要因は,国民の司法に対する見方やニーズにも多大の影響を与えており,長年築き上げてきた判断の枠組みでは解決の困難な訴訟,これからの社会のあるべき姿に密接に関わる訴訟などが今後も増加することが予想されます。裁判実務の運用面において,先例に安住することなく不断の見直しに努めるとともに,個別事件の裁判に当たっては,多角的な視点から検討して審理を行い,説得性の高い合理的な判断を示すなど,裁判の質を一層向上させていくことが必要です。
 間もなく施行後9年を迎える裁判員裁判は,既に1万件以上の裁判が実施され,6万人を超える方々に裁判員として参加していただきました。法曹三者は,これまでの努力に満足することなく,積み重ねた経験を踏まえて現状の問題点を互いに冷静に分析するなど,より一層国民の理解を得られるような運用の確立に向けた検討を進めていかなければなりません。このほかにも,120年ぶりの債権法改正への対応,新しい刑事司法制度の構築のために導入された諸制度の適切な運用,成年後見制度をより利用しやすいものとするための運用改善,情報通信技術を用いた裁判手続の現代化への対応など,課題は少なくありませんが,それらに着実に取り組む中で,身近な存在として国民から更に信頼される裁判所の実現に向けて努めてまいります。
 さらに,これらの大きな課題はいずれも,日本国憲法の下で法の支配を揺るぎないものとするという裁判所の使命に由来するものということができます。憲法記念日を迎えるに当たり,そのような責務に改めて思いを致し,司法に対する国民の期待に応えるために最善を尽くしていきたいと思っています。