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寺田最高裁判所長官の就任談話

平成26年4月1日

談      話

最高裁判所長官   寺田逸郎

   この度,最高裁判所長官を拝命いたしました。その職責の重大さを十分に受けとめて務めてまいりたいと考えております。
   戦後70年近くを経過し,この間,私共は,国民の御理解,御協力をいただきながら,個々の事件の適正妥当な解決を見いだす作業を通じて,国民の権利を擁護し,社会の基盤をなす法秩序の維持を図るという自らの使命を果たすべく努めてきたところです。しかし,社会,経済状況の変化等を反映して,利害の対立が複雑化し,また深刻化することも少なくない中で,裁判所に求められるものがますます幅広く,深くなっていることに思いを致さざるを得ません。また,社会のテンポが一層速くなっていることも見逃せません。裁判所は,これまでにも増して,一件一件の事件の適正妥当な,そして迅速な解決に向けて誠実に努めていかなければならないと思います。
   時代の要請に応えるため取り組まれてきた一連の司法制度改革については,導入された制度の運用がそれぞれ進められています。このうち,裁判員制度は,まもなく施行から5年になります。裁判員を経験された多くの方々が裁判員裁判に参加したことは得難い経験であったと高く評価しておられ,国民の協力を得て円滑な運用を行うという点では,概ね責任を果たしつつ推移しているということができるでしょう。しかし,この歴史的意義を有する制度の定着に向けて取り組んでいくべき課題もなお少なくありません。また,裁判所にとって,新たに本日施行されたハーグ条約関連法にあるように,家庭内の出来事や国際的な広がりのある分野もが視野に入ってくることも普通に見られるようになっています。このような状況に対応し,司法の機能を充実,強化していくため,国内の実情はもとより国際社会の潮流も見据えて検討を深め,国民の期待と信頼に応え得るよう不断に努力を重ねていくことが求められているのだと思います。
   東日本大震災とこれに伴う原子力発電所の事故は,発生から3年を経過しましたが,被災地域の方々をはじめとして,今なお多くの国民の生活に深刻な影響を与えています。司法の分野においても,被災地域の方々の生活の安定と復興に向けて可能な限り努力を続けてまいります。
   就任に当たり,これまで築き上げてきたところを土台として,国民,社会から一層信頼される司法を確立していくため,全力で職務に取り組んでまいる覚悟です。
   国民の皆様におかれましても,一層の御理解,御協力を寄せていただけるようお願い申し上げます。