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最高裁判所判例集

事件番号

 平成17(受)1461

事件名

 取立債権請求事件

裁判年月日

 平成18年12月14日

法廷名

 最高裁判所第一小法廷

裁判種別

 判決

結果

 破棄差戻

判例集等巻・号・頁

 民集 第60巻10号3914頁

原審裁判所名

 東京高等裁判所

原審事件番号

 平成16(ネ)2151

原審裁判年月日

 平成17年4月28日

判示事項

 1 証券投資信託であるMMF(マネー・マネージメント・ファンド)の受益者が解約実行請求をした場合と受益者の受益証券を販売した会社に対する一部解約金支払請求権
2 証券投資信託であるMMF(マネー・マネージメント・ファンド)の受益者が受益証券を販売した会社に対して有する一部解約金支払請求権を差し押さえた債権者が取立権の行使として上記会社に対し解約実行請求をして同請求権を取り立てることの可否
(1,2につき参考図参照)

裁判要旨

 1 証券投資信託であるMMF(マネー・マネージメント・ファンド)であって,(1)投資信託約款において,受益証券の換金は受益者が委託者に対して信託契約の解約の実行を請求する方法によること,この解約実行請求は委託者又は受益証券を販売した会社に対して行うこと,委託者は受益者から解約実行請求があったときは信託契約の一部を解約し,一部解約金は上記会社の営業所等において受益者に支払うことが定められ,(2)上記会社が,委託者から,受益証券の販売のほか,解約実行請求の受付及び一部解約金の支払等の業務の委託を受け,受益証券が上記会社に保護預りされており,(3)上記会社と受益者との間の投資信託総合取引規定において,受益証券等の購入及び解約の申込みは上記会社の店舗等において受け付けること,解約金は取扱商品ごとに定められた日に受益者の預金口座に入金することなどが定められているものについては,上記会社は,解約実行請求をした受益者に対し,委託者から一部解約金の交付を受けることを条件として一部解約金の支払義務を負い,受益者は,上記会社に対し,上記条件の付いた一部解約金支払請求権を有する。
2 証券投資信託であるMMF(マネー・マネージメント・ファンド)であって,(1)投資信託約款において,受益証券の換金は受益者が委託者に対して信託契約の解約の実行を請求する方法によること,この解約実行請求は委託者又は受益証券を販売した会社に対して行うこと,委託者は受益者から解約実行請求があったときは信託契約の一部を解約し,一部解約金は上記会社の営業所等において受益者に支払うことが定められ,(2)上記会社が,委託者から,受益証券の販売のほか,解約実行請求の受付及び一部解約金の支払等の業務の委託を受け,受益証券が上記会社に保護預りされているものについては,上記会社が委託者から一部解約金の交付を受けることを条件として効力を生ずる受益者の上記会社に対する一部解約金支払請求権を差し押さえた債権者は,取立権の行使として,上記会社に対して解約実行請求の意思表示をすることができ,委託者によって信託契約の一部解約が実行されて上記会社が一部解約金の交付を受けたときは,上記会社から同請求権を取り立てることができる。

参照法条

 (1,2につき)投資信託及び投資法人に関する法律2条4項,民法127条,(2につき)民事執行法155条1項

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