裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
平成19(受)1180
- 事件名
損害賠償請求事件
- 裁判年月日
平成20年4月18日
- 法廷名
最高裁判所第二小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
破棄自判
- 判例集等巻・号・頁
集民 第227号669頁
- 原審裁判所名
東京高等裁判所
- 原審事件番号
平成18(ネ)4025
- 原審裁判年月日
平成19年4月11日
- 判示事項
公立小学校3年の児童が,朝自習の時間帯に離席して,ロッカーから落ちていたベストのほこりを払おうとしてこれを頭上で振り回したところ,別の児童の右眼に当たり当該児童が負傷した事故につき,教室内にいた担任教諭に児童の安全確保等についての過失がないとされた事例
- 裁判要旨
公立小学校3年の男子児童が,朝自習の時間帯に,教室後方にあるロッカーから落ちていた自分のベストを拾うため離席し,ほこりを払おうとしてこれを頭上で振り回したところ,ファスナー部分がちょうど席を立って後ろを振り向いた女子児童の右眼に当たり当該女子児童が負傷した場合において,(1)担任教諭は,事故当時,教室入口付近の自席に座り,他の児童らから忘れ物の申告等を受けてこれに応対していたこと,(2)朝自習の時間帯であっても,児童が必要に応じて離席することは許されていたと解されること,(3)担任教諭において日ごろから特に上記男子児童の動静に注意を向ける必要があったという事情はうかがわれないこと,(4)ベストを頭上で振り回す直前までの上記男子児童の行動は特段危険なものでもなかったことなど判示の事情の下では,担任教諭が,ベストを頭上で振り回すという上記男子児童の突発的な行動に気付かず,事故の発生を未然に防止することができなかったとしても,担任教諭に児童の安全確保又は児童に対する指導監督についての過失があるとはいえない。
- 参照法条
国家賠償法1条1項
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