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最高裁判所判例集

事件番号

 平成19(受)1146

事件名

 損害賠償請求事件

裁判年月日

 平成20年6月24日

法廷名

 最高裁判所第三小法廷

裁判種別

 判決

結果

 破棄差戻

判例集等巻・号・頁

 集民 第228号385頁

原審裁判所名

 大阪高等裁判所

原審事件番号

 平成17(ネ)3272

原審裁判年月日

 平成19年3月29日

判示事項

 Yが投資資金名下にXから金員を騙取した場合に,Xからの不法行為に基づく損害賠償請求においてYが詐欺の手段として配当金名下にXに交付した金員の額を損益相殺等の対象としてXの損害額から控除することは,民法708条の趣旨に反するものとして許されないとされた事例

裁判要旨

 Yが自己を介して米国債を購入すれば高額の配当金を得ることができると架空の事実を申し向けてXから金員を騙取した場合において,Yが,詐欺の発覚を防ぎ,更なる詐欺を実行するための手段として,あたかも米国債を購入して配当金を得たかのように装い,配当金名下にXに金員を交付したという事情の下では,XのYに対する不法行為に基づく損害賠償請求において同金員の額を損益相殺ないし損益相殺的な調整の対象としてXの損害額から控除することは,民法708条の趣旨に反するものとして許されない。
(反対意見がある。)

参照法条

 民法708条,民法709条,刑法246条1項

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