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最高裁判所判例集

事件番号

 平成19(受)1878

事件名

 損害賠償請求事件

裁判年月日

 平成20年11月7日

法廷名

 最高裁判所第二小法廷

裁判種別

 判決

結果

 破棄差戻

判例集等巻・号・頁

 集民 第229号151頁

原審裁判所名

 東京高等裁判所

原審事件番号

 平成18(ネ)2482

原審裁判年月日

 平成19年8月29日

判示事項

 痴漢の虚偽申告を理由とするXのYに対する損害賠償請求訴訟において,目撃者が見付からない場合に,これに準ずる立場にある者の証人尋問を実施せず,Yの供述の信用性を肯定して,Xが痴漢行為をしたと認めた原審の判断に違法があるとされた事例

裁判要旨

 電車内でXから痴漢行為を受けた旨のYの警察官に対する申告が虚偽であることを理由としてXがYに損害賠償を求める訴訟において,目撃者が見付からない場合に,(1)痴漢行為があったとYが主張する時点の前後にかけてYと電話をしていたAが電話を通して聞いたXとYの発言についてのAの検察官に対する供述内容が,Yの供述と整合しない一方で,Xの供述と合致すること,(2)Aは目撃証人に準ずる立場にある唯一の人物ということができることなど判示の事情の下においては,Aの証人尋問を実施することなく,Yの供述の信用性を肯定し,Xの供述の信用性を否定して,Xが痴漢行為をしたと認めた原審の判断には,違法がある。

参照法条

 民法709条,民訴法181条,民訴法247条

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