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最高裁判所判例集

事件番号

 平成19(行ヒ)215

事件名

 損害賠償代位請求,損害賠償請求を求める請求事件

裁判年月日

 平成20年11月27日

法廷名

 最高裁判所第一小法廷

裁判種別

 判決

結果

 破棄自判

判例集等巻・号・頁

 集民 第229号269頁

原審裁判所名

 東京高等裁判所

原審事件番号

 平成17(行コ)154

原審裁判年月日

 平成19年4月19日

判示事項

 県が職員の退職手当に係る源泉所得税を法定納期限後に納付したため不納付加算税等の納付を余儀なくされた場合において,源泉所得税の納付に必要な出納長に対する払出通知が遅滞したことにつき,同払出通知に関する専決権限を有する職員に重大な過失はなく,同職員は県に対し地方自治法(平成18年法律第53号による改正前のもの)243条の2第1項後段の規定による損害賠償責任を負わないとされた事例

裁判要旨

 県が,退職した教職員に支払う退職手当に係る源泉所得税を国に納付するに当たり,その納付に必要な県知事の出納長に対する払出しの通知が遅滞した結果,法定納期限後の納付となり,延滞税及び不納付加算税の納付を余儀なくされた場合において,上記遅滞の原因は上記払出通知を専決処理する権限を有する教育委員会財務課長からその事務を任されていた補助職員がこれを怠ったことにあるところ,通常の業務に属する同事務の処理を部下に任せることは同課の事務量や規模からして特に非難されるべきことではないこと,それまで同課では退職手当に係る源泉所得税の納付に必要な払出通知が遅滞したためにその納付が法定納期限後となったことはなかったことなど判示の事情の下においては,上記遅滞につき同課長に重大な過失があったとまでは認められず,同課長は県に対し地方自治法(平成18年法律第53号による改正前のもの)243条の2第1項後段の規定による損害賠償責任を負わない。
(補足意見がある。)

参照法条

 地方自治法(平成14年法律第4号による改正前のもの)242条の2第1項4号,地方自治法(平成18年法律第53号による改正前のもの)243条の2第1項,地方自治法施行令(平成18年政令第361号による改正前のもの)168条の7第2項,静岡県財務規則(昭和39年静岡県規則第13号。平成19年静岡県規則第30号による改正前のもの)183条

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