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最高裁判所判例集

事件番号

 平成20(あ)1678

事件名

 業務上過失致死被告事件

裁判年月日

 平成21年12月7日

法廷名

 最高裁判所第二小法廷

裁判種別

 決定

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 刑集 第63巻11号2641頁

原審裁判所名

 大阪高等裁判所

原審事件番号

 平成18(う)1618

原審裁判年月日

 平成20年7月10日

判示事項

 人工の砂浜の管理等の業務に従事していた者につき砂浜での埋没事故発生の予見可能性が認められた事例

裁判要旨

 人工の砂浜の東側突堤中央付近において防砂板が破損して砂が海中に吸い出されることにより砂層内に発生した空洞の上を小走りに移動中の被害者が,その重みによる同空洞の崩壊のため生じた陥没孔に転落し埋没した事故について,同砂浜の管理等の業務に従事していた被告人らは,南側突堤と東側突堤とは防砂板により砂の吸い出しを防ぐという基本的な構造が同一であり,南側突堤沿いの砂浜及び東側突堤沿い南端付近の砂浜において繰り返し陥没が発生していたことを認識し,その原因が防砂板の破損であると考えて対策を講じていたほか,実際には東側突堤沿いの北寄りの砂浜でも複数の陥没様の異常な状態が生じていたなどの本件事実関係(判文参照)の下では,被告人らは,本件埋没事故現場を含む東側突堤沿いの砂浜において陥没が発生する可能性があることを予見することはでき,本件埋没事故発生の予見可能性があったというべきである。
(反対意見がある。)

参照法条

 刑法(平成18年法律第36号による改正前のもの)211条1項前段

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