裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
平成4(あ)754
- 事件名
背任
- 裁判年月日
平成8年2月6日
- 法廷名
最高裁判所第一小法廷
- 裁判種別
決定
- 結果
棄却
- 判例集等巻・号・頁
刑集 第50巻2号129頁
- 原審裁判所名
福岡高等裁判所
- 原審事件番号
- 原審裁判年月日
平成4年5月13日
- 判示事項
手形保証債務を負担させたことが刑法(平成七年法律第九一号による改正前のもの)二四七条にいう「財産上ノ損害」に当たるとされた事例
- 裁判要旨
甲銀行から当座貸越契約に基づき融資を受けていた乙会社が、手形を振り出しても自ら決済する能力を欠く状態になっていたのに、乙会社の代表者である被告人が、甲銀行の支店長と共謀の上、乙会社振出しの約束手形に甲銀行をして手形保証をさせた場合において、右保証と引換えに、額面金額と同額の資金が乙会社名義の甲銀行預金口座に入金され、甲銀行に対する当座貸越債務の弁済に充てられるとしても、右入金が、被告人と右支店長との間の事前の合意に基づき、一時的に右貸越残高を減少させ、乙会社に債務の弁済能力があることを示す外観を作り出して、甲銀行をして更に乙会社への融資を行わせることなどを目的として行われたものであるなど判示の事実関係の下においては、甲銀行が手形保証債務を負担したことは、刑法(平成七年法律第九一号による改正前のもの)二四七条にいう「財産上ノ損害」に当たる。
- 参照法条
刑法(平成7年法律91号による改正前のもの)247条
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