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最高裁判所判例集

事件番号

 平成9(し)240

事件名

 保護観察決定に対する抗告棄却決定に対する再抗告

裁判年月日

 平成10年4月21日

法廷名

 最高裁判所第三小法廷

裁判種別

 決定

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 刑集 第52巻3号209頁

原審裁判所名

 大阪高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

 平成9年11月10日

判示事項

 少年法一六条に基づく援助協力の依頼により捜査機関から送付を受けた証拠の存在を附添人に了知させなかった措置が違法とはいえないとされた事例

裁判要旨

 少年が非行事実の存在を争っている保護事件において、家庭裁判所がその争点について少年法一六条に基づき捜査機関に援助協力を依頼して回答を得ながら、右回答の存在を附添人に了知させなかった措置は、妥当性を欠いたものであるが、右回答は附添人らがその内容を了知していた捜査書類を要約したものなどであって、証拠全体の中で重要な位置を占める性質のものとはいえず、少年に対しては、審判全体を通じて十分な防御の機会が保障され、回答の存在を知らなかったことにより防御上特段の不利益を生じたといえないことなど回答の重要性の程度、性質、審判全般における少年の具体的な防御の状況等に照らすと、いまだ裁量の範囲を逸脱した違法なものということはできない。

参照法条

 少年法16条

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