裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
昭和55(あ)790
- 事件名
現住建造物等放火
- 裁判年月日
昭和58年7月12日
- 法廷名
最高裁判所第三小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
棄却
- 判例集等巻・号・頁
刑集 第37巻6号791頁
- 原審裁判所名
大阪高等裁判所
- 原審事件番号
- 原審裁判年月日
昭和55年3月25日
- 判示事項
一 違法な別件逮捕中の自白を資料として発付された逮捕状による逮捕中の被疑者に対する勾留質問調書の証拠能力
二 違法な別件逮捕中の自白を資料として発付された勾留状による勾留中の被疑者に対する消防職員の質問調書の証拠能力
三 消防署長等が当該消防署等に所属する消防職員に質問調査を行わせることと消防法三二条一項
四 消防署長等が放火又は失火の罪で逮捕された被疑者に対し検察官送致後に質問調査を行うことと消防法三五条の二第一項
- 裁判要旨
一 逮捕中の被疑者に対する勾留質問調書は、その逮捕が違法な別件逮捕中の自白を資料として発付された逮捕状によるものであつても、他に特段の事情のない限り、証拠能力を否定されるものではない。
二 勾留中の被疑者に対する消防職員の消防法三二条一項による質問調書はその勾留が違法な別件逮捕中の自白を資料として発付された勾留状によるものであつても、他に特段の事情のない限り、証拠能力を否定されるものではない。
三 消防法三二条一項は、消防署長等が当該消防署等に所属する消防職員をして質問調査を行わせることを禁じた趣旨ではない。
四 消防法三五条の二第一項は、消防署長等が、放火又は失火の罪で警察官に逮捕された被疑者に対し、事件が検察官に送致された後に、検察官等の許諾を得て同法三二条一項による質問調査を行うことを禁じた趣旨ではない。
- 参照法条
刑訴法61条,刑訴法199条,刑訴法207条,刑訴法319条1項,刑訴法322条1項,消防法31条,消防法32条1項,消防法35条1項,消防法35条の2
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