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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和58(し)30

事件名

 保護処分取消事件についてした保護処分を取り消さない旨の決定に対する抗告棄却決定に対する再抗告

裁判年月日

 昭和58年9月5日

法廷名

 最高裁判所第三小法廷

裁判種別

 決定

結果

 その他

判例集等巻・号・頁

 刑集 第37巻7号901頁

原審裁判所名

 東京高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

 昭和58年2月23日

判示事項

 一 少年法二七条の二第一項にいう「本人に対し審判権がなかつたこと・・・・を認め得る明らかな資料を新たに発見したとき」の意義
二 少年法二七条の二第一項の趣旨
三 少年法二七条の二第一項による保護処分の取消を求める申立に対してされたこれを取り消さない旨の決定に対する抗告の可否
四 少年の再抗告事件において再抗告事由以外の事由により原決定を職権で取り消すことの可否

裁判要旨

 一 少年法二七条の二第一項にいう「本人に対し審判権がなかつたこと・・・・を認め得る明らかな資料を新たに発見したとき」とは、少年の年齢超過等が事後的に明らかにされた場合のみならず、非行事実がなかつたことを認めうる明らかな資料を新たに発見した場合を含む。
二 少年法二七条の二第一項は、保護処分の決定の確定したのちに処分の基礎とされた非行事実の不存在が明らかにされた少年を将来的に向かつて保護処分から解放する手続をも規定したものである。
三 少年法二七条の二第一項による保護処分の取消を求める申立に対してされたこれを取り消さない旨の決定に対しては、同法三二条の準用により少年側の抗告が許される。
四 少年の再抗告事件において、原決定に少年法三五条所定の事由が認められない場合でも同法三二条所定の事由があつてこれを取り消さなければ著しく正義に反すると認められるときは、最高裁判所は、職権により原決定を取り消すことができる。

参照法条

 少年法27条の2第1項,少年法32条,少年法35条,少年法36条,少年審判規則48条,少年審判規則53条2項,少年審判規則54条,少年審判規則55条,刑訴法411条

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