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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和45(あ)2339

事件名

 所得税法違反

裁判年月日

 昭和48年7月10日

法廷名

 最高裁判所第三小法廷

裁判種別

 決定

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 刑集 第27巻7号1205頁

原審裁判所名

 東京高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

 昭和45年10月29日

判示事項

 一、所得税法二三四条一項は犯罪の構成要件規定として概念が不明確であるか
二、所得税法二三四条一項にいう「納税義務がある者」「納税義務があると認められる者」の意義
三、所得税法二三四条一項の質問検査における理由および必要性の告知の要否

裁判要旨

 一 所得税法二三四条一項は、同法二四二条八号の罪の構成要件の規定として、その意義が明確を欠くものではない。
二 所得税法二三四条一項にいう「納税義務がある者」とは、課税要件がみたされて客観的に納税義務が成立し、いまだ最終的に適正な税額の納付を終了していない者および当該課税年が開始して課税の基礎となる収入の発生があり、将来終局的に納税義務を負担するにいたるべき者をいい、「納税義務があると認められる者」とは、税務職員の判断によつて右の納税義務がある者に該当すると合理的に推認される者をいう。
三 所得税法二三四条一項の質問検査において、その理由および必要性を相手方に告知することは、法律上の要件ではない。

参照法条

 憲法31条,所得税法234条1項,所得税法242条8号

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