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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和30(あ)28

事件名

 不正談合

裁判年月日

 昭和32年1月31日

法廷名

 最高裁判所第一小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 刑集 第11巻1号435頁

原審裁判所名

 名古屋高等裁判所  金沢支部

原審事件番号

原審裁判年月日

 昭和29年12月23日

判示事項

 一 談合が「公正ナル価格ヲ害」すると認められる事例
二 「不正ノ利益ヲ得ル目的ヲ以テ談合シ」た場合にあたる事例

裁判要旨

 一 工事の請負入札につき初めから自由競争を避けるため落札者および落札価格を協定し、協定により定めた者が落札者となつた場合は、その者は落札価格の三パーセントの談合金を提供し、その金の一部をもつて落札者を含めた入札指名者間の飲食費にあて、残金は入札指名者間で分配することを知悉しながら、入札に際し、かかる協定をして入札、落札し、談合金合計三〇万五三〇〇円を費消、分配したときは、その落札価格は、入札施行者に対し、少くともその三パーセントが公正な自由競争によつて形成されたであろう価格よりも不利益な価格であると推認される。
二 談合金が落札金額の約三パーセントで(合計三〇万五三〇〇円)その金額、分配の方法からして社会常識上儀礼的なものその他正当のものと認められないときは、かかる金員の授受を目的とする談合は「不正ノ利益ヲ得ル目的ヲ以テ談合シタル」ものにあたる。

参照法条

 刑法96条ノ3第2項,刑法96条ノ32項

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