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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和46(オ)197

事件名

 建物明渡等請求

裁判年月日

 昭和47年2月24日

法廷名

 最高裁判所第一小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 民集 第26巻1号146頁

原審裁判所名

 札幌高等裁判所

原審事件番号

 昭和43(ネ)334

原審裁判年月日

 昭和45年12月21日

判示事項

 登記簿の記載から賃借権の消滅を信頼した建物の競落人について民法九四条二項の類推適用がないとされた事例

裁判要旨

 競落建物について、抵当権設定前にこれに対する賃借権の譲渡を受け、かつ、その引渡を受けた者が、家主および賃借権の譲渡人と通謀のうえ、いつたん転借権の設定登記を経由し、その後これを真実の権利関係に符合させるために、抵当権設定登記後になつて、新たな賃借権の設定登記を、ついで、合意解約を理由とする右転借権の抹消登記を順次経由した場合において、右建物の競落人がこの登記簿の記載のみから、自己に対抗しうる賃借権は存在しないものと信じてこれを競落したとしても、賃借人が当初から建物の占有を継続しており、登記簿上も、右のとおり、抵当権設定登記前から継続して同一人が転借人または賃借人として登記されている事情があるときは、競落人は、民法九四条二項を類推して賃借人が自己に対抗しうる賃借権を有しないものと主張することはできない。

参照法条

 民法94条2項

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