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最高裁判所判例集

事件番号

 平成12(行フ)2

事件名

 移送申立て却下決定に対する抗告棄却決定に対する許可抗告事件

裁判年月日

 平成13年2月27日

法廷名

 最高裁判所第三小法廷

裁判種別

 決定

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 民集 第55巻1号149頁

原審裁判所名

 大阪高等裁判所

原審事件番号

 平成12(行ス)6

原審裁判年月日

 平成12年4月7日

判示事項

 1 行政事件訴訟法12条3項にいう「事案の処理に当たつた下級行政機関」の意義
2 社会保険庁長官がした国民年金法による障害基礎年金の支給停止処分等につき和歌山県知事が行政事件訴訟法12条3項にいう「事案の処理に当たつた下級行政機関」に該当するとされた事例

裁判要旨

 1 行政事件訴訟法12条3項にいう「事案の処理に当たつた下級行政機関」とは,当該処分又は裁決に関し事案の処理そのものに実質的に関与した下級行政機関をいう。
2 国民年金法による障害基礎年金と地方公務員等共済組合法による退職共済年金の併給を受けていた者が,和歌山県知事の補助機関である和歌山東社会保険事務所の担当者に対し,国民年金法による老齢基礎年金の裁定請求書を提出したところ,同担当者が,法令上障害基礎年金と退職共済年金の併給は不可能である旨を指摘し,年金受給選択の申出をするよう促して年金受給選択申出書等を提出させ,年金受給選択に係る意思を確認した上でこれを受理し,和歌山県知事において特段の処分意見を付すことなく上記申出書等を社会保険庁長官に進達し,これを受けた社会保険庁長官において上記申出書等に依拠して障害基礎年金を過去にさかのぼって支給停止する旨の処分及び同年金の過誤払に係る額を老齢基礎年金の内払とみなす旨の処分をしたなど判示の事実関係の下においては,和歌山県知事は,社会保険庁長官の下級行政機関として上記各処分に関し事案の処理そのものに実質的に関与したと評価することができ,行政事件訴訟法12条3項にいう「事案の処理に当たつた下級行政機関」に該当する。

参照法条

 行政事件訴訟法12条3項,国民年金法20条1項,国民年金法20条2項,国民年金法21条1項

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