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最高裁判所判例集

事件番号

 平成7(オ)2122

事件名

 給水契約上の地位確認等

裁判年月日

 平成11年1月21日

法廷名

 最高裁判所第一小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 民集 第53巻1号13頁

原審裁判所名

 福岡高等裁判所

原審事件番号

 平成4(ネ)126

原審裁判年月日

 平成7年7月19日

判示事項

 水道事業者である町が水道水の需要の増加を抑制するためマンション分譲業者との給水契約の締結を拒否したことに水道法一五条一項にいう「正当の理由」があるとされた事例

裁判要旨

 水道事業を経営する町がマンション分譲業者からの四二〇戸分の給水契約の申込みに対し契約の締結を拒んだことは、当該町が、全国有数の人口過密都市であり今後も人口の集積が見込まれ、認可を受けた水源のみでは現在必要とされる給水量を賄うことができず、認可外の水源から取水して給水量を補っているが当該取水は不安定であり、多額の財政的負担をして種々の施策を執ってきているが容易に右状況が改善されることは見込めず、このまま漫然と新規の給水申込みに応じていると近い将来需要に応じきれなくなり深刻な水不足を生ずるこが予測されるという判示の事実関係の下においては、新たな給水申込みのうち、需要量が特に大きく、住宅を供給する事業を営む者が住宅を分譲する目的であらかじめしたものについて給水契約の締結を拒むことにより、急激な水道水の需要の増加を抑制するためのやむを得ない措置であって、右の措置には水道法一五条一項にいう「正当の理由」があるものというべきである。

参照法条

 水道法2条,水道法2条の2第1項,水道法15条1項

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