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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和39(オ)25

事件名

 建物収去土地明渡請求

裁判年月日

 昭和39年6月30日

法廷名

 最高裁判所第三小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 民集 第18巻5号991頁

原審裁判所名

 東京高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

 昭和38年10月10日

判示事項

 一 賃貸人の承諾をえないで賃借権の譲渡が行なわれたにかかわらず当該賃貸借契約を解除することができないとされた事例。
二 右の場合における賃貸人と賃借権譲受人との間の関係。

裁判要旨

 一 甲(女)が、乙の借地上にある乙所有建物に乙と事実上の夫婦として同棲し、協働して鮨屋を経営していたが、乙の死亡後、その相続人から建物とともに借地権の譲渡を受け、引きつづき右土地を使用し同建物で鮨屋を経営しており、賃貸人も、甲が右建物に事実上の夫婦として乙と同棲していたことを了知していたような場合は、右借地権譲渡は、これについて賃貸人の承諾がなくても、賃貸人に対する背信行為と認めるに足らない特段の事情がある場合にあたり、賃貸人は民法第六一二条第二項による賃貸借の解除をすることができない。
二 前項の場合、甲は、賃貸人の承諾がなくても、借地権の譲受をもつて賃貸人に対抗できるものと解するのが相当である。

参照法条

 民法612条

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