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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和41(オ)661

事件名

 請求異議

裁判年月日

 昭和43年9月6日

法廷名

 最高裁判所第二小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 民集 第22巻9号1862頁

原審裁判所名

 東京高等裁判所

原審事件番号

 昭和39(ネ)2516

原審裁判年月日

 昭和41年4月12日

判示事項

 建物収去土地明渡の強制執行が権利の濫用にあたるとされた事例

裁判要旨

 建物収去土地明渡および金銭支払を命じた確定判決を得た債権者が、廃材としての時価が金四万円をこえない右建物に対し、自らこれを競落して収去する予定のもとに、右確定判決に基づいてまず強制競売の申立をしたところ、予想に反して最低競売価額が金一四八万円と定められたにもかかわらず、そのまま競売手続が進行するに任せ、そのために、名義書替料程度の金銭を支払えば敷地を賃借できると考えて右最低競売価額で競落許可決定を得た競落人から、右賃借の申出を受けると、地価の八割に相当する坪金六万四〇〇〇円位の権利金を支払えば、賃貸してもよい旨答えて、競落人をして敷地の賃貸借について希望を抱かせ、競落人が競落代金を完済し、右建物の所有権移転登記と引渡とを受けたのちも、右賃貸条件を固執して、ここに同人に対する右建物収去土地明渡の強制執行のために承継執行文を得たなど原判示のような事情(原判決理由参照)があるときは、右強制執行は、権利の濫用として許されない。

参照法条

 民法1条,民訴法545条

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