裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
平成7(オ)949
- 事件名
転付債権
- 裁判年月日
平成9年6月17日
- 法廷名
最高裁判所第三小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
棄却
- 判例集等巻・号・頁
民集 第51巻5号2154頁
- 原審裁判所名
大阪高等裁判所
- 原審事件番号
平成5(ネ)3024
- 原審裁判年月日
平成6年12月21日
- 判示事項
一 生命保険契約の保険契約者兼保険金受取人である有限会社が意思表示の受領権限を有する者を欠く状態にある場合において保険金請求権の転付債権者に対して告知義務違反を理由とする解除の意思表示をすることの可否
二 保険会社が告知義務違反による生命保険契約の解除原因を知った時に解除の意思表示の受領権限を有する者がいない場合における解除原因を知った後一箇月を経過したときには契約を解除することができない旨の約款の解釈
- 裁判要旨
一 有限会社を保険契約者兼保険金受取人とする生命保険契約における被保険者が死亡し、かつ、右有限会社が意思表示を受領する権限を有する者を欠く状態にある場合において、転付命令により保険金受取人の保険会社に対する生命保険金支払請求権を取得した者があるときには、保険会社は、右転付債権者に対しても告知義務違反を理由とする生命保険契約の解除の意思表示をすることができる。
二 有限会社を保険契約者とする生命保険契約に適用される約款に保険会社が告知義務違反による解除の原因を知った日からその日を含めて一箇月を経過したときには契約を解除することができない旨の定めがある場合において、保険会社が右の解除の原因を知った時に解除の意思表示の受領権限を有する者がいないときには、右の一箇月の期間は、保険会社が右受領権限を有する者が現れたことを知り、又は知り得べき時から進行するものと解すべきである。
- 参照法条
民法91条,民法540条,商法644条2項,商法678条,民事執行法159条,民事執行法160条
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