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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和39(行ツ)92

事件名

 審決取消請求

裁判年月日

 昭和44年1月28日

法廷名

 最高裁判所第三小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 民集 第23巻1号54頁

原審裁判所名

 東京高等裁判所

原審事件番号

 昭和32(行ナ)52

原審裁判年月日

 昭和38年9月26日

判示事項

 一、危険の防止および安全な作動が装置の発明完成の要件とされた事例

二、明細書の記述不備によつて発明を技術的に未完成と認めることの当否

三、発明の完成の有無を判断する資料の範囲

裁判要旨

 一、中性子の衝撃による天然ウランの原子核分裂現象を利用するエネルギー発生装置は、右原子核分裂に不可避的に伴う危険を抑止し、定常的かつ安全に作動するまでに技術的に完成されていないかぎり、旧特許法(大正一〇年法律第九六号)一条にいう工業的発明にあたらない。

二、明細書において、発明の技術的内容がその技術分野における通常の知識経験をもつ者にとつて反覆実施できる程度にまで具体化、客観化されて記述されていないものは、技術的に未完成で、旧特許法(大正一〇年法律第九六号)一条にいう工業的発明にあたらない。

三、特許出願当時においてその発明が技術的に完成したものであつたかどうかを判断するについては、右出願後において判明した事実を資料とすることも許される。

参照法条

 旧特許法(大正10年法律第96号)1条

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