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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和46(オ)90

事件名

 所有権確認等請求

裁判年月日

 昭和49年11月14日

法廷名

 最高裁判所第一小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 民集 第28巻8号1605頁

原審裁判所名

 東京高等裁判所

原審事件番号

 昭和39(ネ)2293

原審裁判年月日

 昭和45年10月29日

判示事項

 一、共同代表の定めと特定の事項について共同代表取締役の意見が合致した場合における代表権行使の委任
二、契約が共同代表の定めに違背し無効であると主張することが信義則に反し許されないとされた事例

裁判要旨

 一、特定の事項について共同代表取締役の意思が合致した場合において、代表取締役のある者が他の代表取締役に右意思を外部に表示することにつき代表権の行使を委任することは、共同代表の定めに反しない。
二、会社に甲乙、丙の代表取締役があり、共同代表の定めがあるにもかかわらず、甲、乙のみによつて会社所有の物件が売却された場合において、会社が甲の財産の保全、運営のために設立されたものであり、乙、丙はいずれも甲と内縁関係にあつて、会社の業務は専ら甲によつて運営され、実質的には共同代表が行われておらず、右売却にあたつて甲が丙の合意もあると買主を信じさせるような言動をし、かつ、契約締結後約五年の間会社において右契約が無効であるとの主張をしなかつた等判示のような事情があるときは、会社が右売買契約を共同代表の定めに違背し無効であると主張することは、信義則に反し、許されない。

参照法条

 商法261条2項,民訴法1条2項

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