裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
昭和25(し)64
- 事件名
窃盗被告事件の控訴棄却決定についての異議申立棄却決定に対する特別抗告
- 裁判年月日
昭和26年4月13日
- 法廷名
最高裁判所第二小法廷
- 裁判種別
決定
- 結果
その他
- 判例集等巻・号・頁
刑集 第5巻5号902頁
- 原審裁判所名
大阪高等裁判所
- 原審事件番号
- 原審裁判年月日
昭和25年10月21日
- 判示事項
一 特別抗告について刑訴法第四一一条の準用があるか
二 保釈決定謄本と異つた制限住居に宛てた付郵便送達の効力
三 特別抗告において原決定を取り消さなければ着しく正義に反するものと認められる事例
- 裁判要旨
一 そして最高裁判所が正義を維持するため発動する職権破棄権は本件のような場合には当然にこれを保有するものというべきであるから本件特別抗告については刑訴法第四一一条の準用があるものと解するのが正当である。
二 被告人(控訴申立人)に対し、保釈決定原本に記載された制限住居とまつたく異つた制限住居を記載した謄本が送達せられ、被告人はそれを正しい謄本と信じて謄本記載の制限住居に居住していた場合に、控訴裁判所が原本記載の制限住居に宛てて控訴趣意書提出最終日通知書の送達を試み、それが不送達になつたのち、さらに同所に宛てて郵便に付する送達の方法をとり、右通知書は現実にも被告人に到達しなかつたが、同裁判所は控訴趣意書不提出の理由で控訴棄却の決定をしたのに対し、被告人から右事情を述べて異議の申立をしたにも拘らず、原決定が前記郵便に付する送達は有効であるとして異議申立を棄却したのは、刑訴規則第六三条の解釈を誤つた違法があり、刑訴第四一一条を準用して原決定を取り消されなければ著しく正義に反するものと認められる。
- 参照法条
刑訴法433条,刑訴法411条,刑訴法54条,刑訴規則63条
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