裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
昭和24(オ)348
- 事件名
建物及動産所有権確認並右明渡及引渡等請求
- 裁判年月日
昭和28年12月28日
- 法廷名
最高裁判所第一小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
棄却
- 判例集等巻・号・頁
民集 第7巻13号1683頁
- 原審裁判所名
札幌高等裁判所
- 原審事件番号
- 原審裁判年月日
昭和24年12月15日
- 判示事項
一 戦災による損害回避の目的をもつてする家屋及物件の売却換価は保存行為にあたるか
二 民法第一一〇条の代理権ありと信ずべき正当の理由に当らない一事例
- 裁判要旨
一 戦災による滅失を見越し、害屋及物件を売却することは、たとえ罹災による損害を回避し経済的価値保存の目的に出でた場合であつても財産自体の性質上の滅損を防止する場合と異り、保存行為にはあたらない。
二 夫が応召不在中、妻が無断で夫を代理し夫所有の家屋及物件の売買契約を締結した場合、たとえ当時妻が夫の印章を保管しこれを使用していた事実があつたとしても、買主において夫が応召不在中であることを知つていたときは、買主は、右売買契約の締結につき妻に夫を代理する権限ありと信ずべき正当の理由があるということはできない。
- 参照法条
民法103条,民法110条
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