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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和27(オ)890

事件名

 土地明渡請求

裁判年月日

 昭和30年10月4日

法廷名

 最高裁判所第三小法廷

裁判種別

 判決

結果

 破棄差戻

判例集等巻・号・頁

 民集 第9巻11号1521頁

原審裁判所名

 大阪高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

 昭和27年6月14日

判示事項

 一筆の土地の一部を除外して売買がなされたと認むべき一事例

裁判要旨

 甲乙間に甲所有の(い)の土地並びに同地上の家屋(店舗および附属工場)の売買が成立した場合において、本来(い)の土地には、右家屋のほか、なお甲所有の土蔵が存するにかかわらず登記簿上、土蔵は隣地たる甲所有の(ろ)の土地に所在することになつており、甲乙双方とも売買成立後相当日時を経過するまで、右土蔵敷地が(い)の土地の一部であることを知らず、右土蔵自体は前記売買の目的とされなかつたものであり、しかも乙は売買同時現場に検分に行つたが、当時甲乙間で土蔵の収去または存置等の処置について協議した形跡もない以上、他に特段の事情のないかぎり、前記売買においては、右(い)の土地(一筆全部で七七坪五勺)中、土蔵の敷地(二〇坪四合二勺)は売買の目的から除外する暗黙の意志表示があつたものと認めるのが相当である。

参照法条

 民法第1編第4章1節(90条),民法第3編第2章1節1款(521条),民法176条

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