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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和29(オ)79

事件名

 公売処分無効確認等請求

裁判年月日

 昭和31年4月24日

法廷名

 最高裁判所第三小法廷

裁判種別

 判決

結果

 破棄差戻

判例集等巻・号・頁

 民集 第10巻4号417頁

原審裁判所名

 名古屋高等裁判所  金沢支部

原審事件番号

原審裁判年月日

 昭和28年12月25日

判示事項

 一 国税滞納処分による差押と民法第一七七条
二 登記の欠缺を主張するにつき正当の利益を有しない第三者の範囲
三 国税滞納処分による不動産差し押えの場合における国の登記欠缺の主張が正当の利益がないとはいえないとされた一事例

裁判要旨

 一 国税滞納処分による差押については、民法第一七七条の適用があるものと解すべきである。
二 登記の欠缺を主張する第三者がこれを主張するにつき正当の利益を有しない場合とは、当該第三者に、不動産登記法第四条第五条により登記の欠缺を主張することの許されない事由がある場合、その他これに類するような、登記の欠缺を主張することが信義に反すると認められる事由がある場合に限るものと解すべきである。
三 国が国税滞納者に対する滞納処分として登記簿上滞納者名義の不動産を差し押えた場合において、差押の約三年六箇月前に右不動産の譲受人から移転登記の未経由にかかわらず該不動産がその所有に属する旨の財産申告を受け、これを前提として財産税を徴収した事実があつても、それだけでは、国は、登記の欠缺を主張するにつき正当の利益を有する第三者にあたらないとはいえない。

参照法条

 民法177条,国税徴収法10条

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