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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和44(オ)508

事件名

 家屋明渡請求

裁判年月日

 昭和46年7月1日

法廷名

 最高裁判所第一小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 集民 第103号335頁

原審裁判所名

 大阪高等裁判所

原審事件番号

 昭和41(ネ)810

原審裁判年月日

 昭和44年2月28日

判示事項

 家屋賃借人の敷地利用が賃借家屋およびその敷地の使用収益権の範囲を逸脱しその保管義務に反することはないとされた事例

裁判要旨

 家屋賃借人がその敷地に家屋を無断築造した場合であつても、現在の家主が賃貸人となつた当時、すでに右賃借人が地主の承諾をえて敷地の一部に約三坪の居宅兼物置を築造しており、その後約一二年をへて、右賃借人が右居宅兼物置を撤去した跡にそれと面積、位置をほぼ同じくして、木造トタン葺板壁の簡単な構造の作業場を新築したにすぎず、右新築による賃借家屋の損傷の程度や作業場の利用状況等が判示のとおりであるときには、右作業場の設置をもつて、家屋賃借人の敷地利用が賃借家屋およびその敷地の使用収益権の範囲を逸脱し、その保管義務に反するものということはできない。

参照法条

 民法400条,民法594条1項,民法616条

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