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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和44(オ)654

事件名

 売買代金返還等請求

裁判年月日

 昭和44年11月18日

法廷名

 最高裁判所第三小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 集民 第97号379頁

原審裁判所名

 大阪高等裁判所

原審事件番号

 昭和41(ネ)911

原審裁判年月日

 昭和44年3月28日

判示事項

 被用者の行為が職務権限内において適法に行なわれたものでないことを相手方において知らなかつたことにつき重大な過失がないとされた事例

裁判要旨

 甲が、住宅の建設および販売の事業を営む乙の被用者丙との間に建物および土地を買い受ける契約をして代金を丙に支払つたが、丙にその権限がなかつた場合において、甲は、テレビの宣伝で知つて、乙が一区画の商店街として相当数の建物の建築販売を行なつている土地に赴き、附近の現場事務所にいた丙から説明や案内を受け、後日再度同所に赴いたときも丙がいたため、丙に契約の権限があるものと信じて右契約をし代金を支払つたなど原判決認定の事情(原判決理由参照)があるときは、甲が、真の権利者および丙の処分権限の有無を確かめる手段をとらなかつたとしても、丙に権限がないことを知らなかつたことにつき重大な過失があるものとはいえず、甲は、民法七一五条により、乙に対して右代金相当額の損害賠償を請求することができる。

参照法条

 民法715条

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