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最高裁判所判例集

事件番号

 平成12(行ヒ)211

事件名

 損害賠償請求事件

裁判年月日

 平成16年12月7日

法廷名

 最高裁判所第三小法廷

裁判種別

 判決

結果

 その他

判例集等巻・号・頁

 集民 第215号869頁

原審裁判所名

 名古屋高等裁判所  金沢支部

原審事件番号

 平成11(行コ)15

原審裁判年月日

 平成12年3月22日

判示事項

 1 住民監査請求における対象の特定の程度
2 住民監査請求が請求の対象の特定に欠けるところはないとされた事例

裁判要旨

 1 住民監査請求においては,対象とする財務会計上の行為又は怠る事実を,他の事項から区別し特定して認識することができるように,個別的,具体的に摘示することを要するが,監査請求書及びこれに添付された事実を証する書面の各記載,監査請求人が提出したその他の資料等を総合して,住民監査請求の対象が特定の財務会計上の行為等であることを監査委員が認識することができる程度に摘示されているのであれば,これをもって足りるのであり,このことは,対象とする財務会計上の行為等が複数である場合であっても異ならない。
2 県が,複数年度の旅費の支出について1件ごとに調査し,公務出張の事実がないのにされた支出を事務処理上不適切な支出として,その合計額を公表したという事実関係の下においては,上記の調査において事務処理上不適切な支出とされたものが違法な公金の支出であるとしてされた住民監査請求は,対象とする各支出について,支出に係る部課,支出年月日,支出金額等の詳細を個別的,具体的に摘示していなくとも,請求の対象の特定に欠けるところはない。

参照法条

 地方自治法242条1項,地方自治法(平成14年法律第4号による改正前のもの)242条の2第1項

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