裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
平成13(行ヒ)243
- 事件名
損害賠償請求事件
- 裁判年月日
平成17年11月10日
- 法廷名
最高裁判所第一小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
破棄自判
- 判例集等巻・号・頁
集民 第218号349頁
- 原審裁判所名
広島高等裁判所
- 原審事件番号
平成10(行コ)11
- 原審裁判年月日
平成13年5月29日
- 判示事項
市が主導して外国都市との間の高速船の運航事業を目的として設立した第3セクターに対しその経営破たん後に地方自治法232条の2に定める公益上の必要があるとして補助金を支出したことについて市長の判断に裁量権の逸脱,濫用の違法があるとはいえないとされた事例
- 裁判要旨
市が,姉妹都市の提携をしている外国の都市との人的,物的交流の緊密化,市の経済の発展等を目的として,同都市との間に高速船を運航する事業を行うことを提唱し,協力要請に応じた民間企業等と共に出資して当該事業を行うことを目的とする株式会社を設立し,その運営や資金調達等に関して積極的な役割を果たし,当該会社の借入金債務合計3億8000万円を連帯保証した上記民間企業等に対して市が責任を持って対処するので迷惑を掛けない旨の説明をしていた場合において,当該会社が業績不振により高速船の運航を休止し支払不能の状態に至った後,市が地方自治法232条の2に定める公益上の必要があるとして当該会社に対し上記借入金相当額の補助金を支出したことについて,それが上記民間企業等に連帯保証債務の履行をさせ上記の説明に反して当該事業の清算に伴う損失を負担させる結果となることを避け,当該事業を主導した市に対する協力と信頼にこたえる趣旨でされたこと,市議会において特にその支出の当否が審議された上で予算が可決されたことなど判示の事情の下においては,上記補助金の支出に係る市長の判断に裁量権の逸脱,濫用の違法があるとはいえない。
(反対意見がある。)
- 参照法条
地方自治法232条の2,地方自治法(平成14年法律第4号による改正前のもの)242条の2第1項4号
- 全文