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最高裁判所判例集

事件番号

 平成14(行ヒ)325

事件名

 違法公金支出金返還請求事件

裁判年月日

 平成17年12月15日

法廷名

 最高裁判所第一小法廷

裁判種別

 判決

結果

 破棄自判

判例集等巻・号・頁

 集民 第218号1151頁

原審裁判所名

 福岡高等裁判所

原審事件番号

 平成13(行コ)7

原審裁判年月日

 平成14年9月20日

判示事項

 食糧費の支出の日から1年を経過して住民監査請求がされたことについて地方自治法242条2項ただし書にいう正当な理由があるとはいえないとされた事例

裁判要旨

 市の局長等が出席した会合に係る220件余の食糧費の各支出について支出の日から1年を経過した後に住民監査請求がされた場合において,住民団体が市の情報公開条例に基づく公開請求をした結果,上記監査請求の約4か月弱前には,上記各支出を含む1年度分の食糧費支出に関し個別の支出の日,金額,その内訳及び債権者名並びに支出に係る会合の場所,出席人数及び市側の出席者が明らかとなる文書の写しの交付を受けたこと,上記文書の件数は1422件であったが,上記団体はその交付を受けた日から約3か月後には会合出席者1人当たりの金額が6000円を超えるものが230件程度あるなどの分析結果の集約を終えることができたのにかかわらず,その分析結果を新聞紙上に発表して監査請求人を公募し,その約25日後に上記団体の構成員及び上記公募に応じた者が上記監査請求をしたことなど判示の事実関係の下では,同請求の約4か月弱前ころには,市の一般住民においても同様の情報公開請求手続を採るなど相当の注意力をもって調査すれば客観的にみて上記各支出について監査請求をするに足りる程度にその存在及び内容を知ることができたというべきであり,上記監査請求はその時から相当な期間内にされたということはできず,同請求が上記各支出の日から1年を経過した後にされたことについて地方自治法242条2項ただし書にいう正当な理由があるとはいえない。
(反対意見がある。)

参照法条

 地方自治法242条2項

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