裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
平成16(受)2134
- 事件名
預金払戻,不当利得返還請求事件
- 裁判年月日
平成17年7月11日
- 法廷名
最高裁判所第二小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
その他
- 判例集等巻・号・頁
集民 第217号329頁
- 原審裁判所名
札幌高等裁判所
- 原審事件番号
平成16(ネ)106
- 原審裁判年月日
平成16年9月10日
- 判示事項
銀行が相続財産である預金債権の全額を共同相続人の一部に払い戻した場合について他の共同相続人にその法定相続分相当額の預金の支払をした後でなくても当該銀行には民法703条所定の「損失」が発生するものとされた事例
- 裁判要旨
甲銀行に対し預金債権を有していた丁の死亡により,乙,丙及び戊が当該預金債権を相続したのに,甲銀行が当該預金債権の全額を乙及び丙に払い戻したこと,乙及び丙は,戊の法定相続分相当額の預金については,これを受領する権限がなかったにもかかわらず,払戻しを受けたものであり,この払戻しが債権の準占有者に対する弁済に当たるということもできないことなど判示の事情の下においては,甲銀行が戊にその法定相続分相当額の預金の支払をした後でなくても,甲銀行には民法703条所定の「損失」が発生したものというべきである。
- 参照法条
民法478条,民法703条,民法899条
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