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最高裁判所判例集

事件番号

 平成16(受)443

事件名

 親子関係不存在確認等,相続回復,土地所有権確認等請求事件

裁判年月日

 平成17年7月22日

法廷名

 最高裁判所第二小法廷

裁判種別

 判決

結果

 破棄差戻

判例集等巻・号・頁

 集民 第217号581頁

原審裁判所名

 大阪高等裁判所

原審事件番号

 平成14(ネ)3896

原審裁判年月日

 平成15年11月26日

判示事項

 遺言書の記載のみに依拠して遺言書の条項の文言を形式的に解釈した原審の判断に違法があるとされた事例

裁判要旨

 丁の遺言書中の特定の遺産を一部の親族に遺贈等をする旨の条項に続く「遺言者は法的に定められたる相続人を以って相続を与へる。」との条項について,丁は,その妻戊との間に子がなかったため,丁の兄夫婦の子甲を実子として養育する意図で丁戊夫婦の嫡出子として出生の届出をしたこと,丁と甲とは,遺言書が作成されたころを含めて,丁が死亡するまで,実の親子と同様の生活をしていたとみられること,遺言書が作成された当時,甲は,戸籍上,丁の唯一の相続人であったことなど判示の事情を考慮することなく,遺言書の記載のみに依拠して,上記の遺贈等の対象とされた特定の遺産を除く丁の遺産を甲に対して遺贈する趣旨ではなく,これを単に法定相続人に相続させる趣旨であるとした原審の判断には,違法がある。

参照法条

 民法第4編第3章 親子,民法968条

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