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最高裁判所判例集

事件番号

 平成9(オ)968

事件名

 損害賠償請求事件

裁判年月日

 平成13年6月8日

法廷名

 最高裁判所第二小法廷

裁判種別

 判決

結果

 破棄差戻

判例集等巻・号・頁

 集民 第202号277頁

原審裁判所名

 名古屋高等裁判所

原審事件番号

 平成7(ネ)873

原審裁判年月日

 平成9年2月26日

判示事項

 外科手術後の細菌感染症に対する予防措置について医師の注意義務違反を否定した原審の認定判断に違法があるとされた事例

裁判要旨

 両手に重い外傷を受けた患者の受傷時の創が著しく汚染された状態であり,外科手術終了時点で細菌感染が懸念されていたこと,外科手術後1週間経過しても発熱が継続するなど細菌感染を疑わせる症状が出現していたにもかかわらず,外科手術後13日目になって初めて創部の細菌検査を実施したこと,細菌検査によって創部から緑のう菌等が検出されたことから,投薬,壊死部分の再手術等が行われたが,結局,患者は細菌感染症に起因する敗血症等によって死亡したことなど判示の事実関係の下においては,細菌検査を実施した時点まで細菌感染を疑わせるうみ状のものや刺激臭が現われていなかった事実をもって,医師による細菌感染症に対する予防措置についての注意義務違反を否定した原審の認定判断には,医師において,緑のう菌等の細菌感染を予見し,それに対応した適切な細菌感染症予防措置を講ずべきであった時期についての認定を誤り,ひいては法令の解釈適用を誤った違法がある。

参照法条

 民法415条,民法709条

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