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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和63(オ)924

事件名

 所有権移転登記手続等本訴、所有権移転登記抹消登記手続反訴

裁判年月日

 平成3年3月22日

法廷名

 最高裁判所第二小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 集民 第162号227頁

原審裁判所名

 東京高等裁判所

原審事件番号

 昭和59(ネ)706

原審裁判年月日

 昭和63年3月16日

判示事項

 後見人に就職した二名の者が未成年者を代理して締結した売買契約の効力を否定することが許されないとされた事例

裁判要旨

 未成年者甲の後見人に就職した乙及び丙が甲を代理して売買契約を締結した場合において、乙及び丙は甲の実親であり、甲の養父の死亡により戸籍上甲の後見人に就職した旨記載され、ともに正当な後見人となったものと考えて、甲の財産を管理してきたもので、右売買に右両名が後見人として関与したことにより、甲の利益が損なわれたわけではなく、甲も、成人に達した後において、右両名が甲の財産を管理してきたことを事実上承認していたなど判示の事情があるときは、乙及び丙が後見人として代理行為をしたことを理由として甲が右売買契約の効力を否定することは、信義則上許されない。

参照法条

 民法1条2項,民法113条,民法843条

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