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最高裁判所判例集

事件番号

 平成7(オ)1684

事件名

 共有物分割

裁判年月日

 平成10年2月27日

法廷名

 最高裁判所第二小法廷

裁判種別

 判決

結果

 破棄差戻

判例集等巻・号・頁

 集民 第187号207頁

原審裁判所名

 大阪高等裁判所

原審事件番号

 平成6(ネ)987

原審裁判年月日

 平成7年3月23日

判示事項

 いわゆる全面価格賠償の方法により共有物を分割することの許される特段の事情の存否について審理判断することなく競売による分割をすべきものとした原審の判断に違法があるとされた事例

裁判要旨

 一 共有不動産の分割をする場合において、共有者の一人である甲が今後も右不動産に居住することを希望しており、また、合計六分の一の持分を有するにすぎない乙及び丙が競売による分割を求めているのに対し、甲及び他の共有者は、右不動産を競売に付することなく、自らがこれを取得するいわゆる全面的価格賠償の方法による分割を提案しているところ、右不動産を甲らに取得させるのが相当でないということはできず、甲らの支払能力のいかんによっては、右不動産の適正な評価額に従って乙及び丙にその持分の対価を取得させることとしても共有者間の実質的公平を害しないにもかかわらず、全面的価格賠償の方法により共有物を分割することの許される特段の事情の存否について審理判断することなく、直ちに競売による分割をすべきもおとした原審の判断には、違法がある。

二 (補足意見がある。)

参照法条

 民法258条

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