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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和51(オ)51

事件名

 土地所有権移転登記抹消登記手続

裁判年月日

 昭和53年5月25日

法廷名

 最高裁判所第一小法廷

裁判種別

 判決

結果

 破棄差戻

判例集等巻・号・頁

 集民 第124号31頁

原審裁判所名

 東京高等裁判所

原審事件番号

 昭和49(ネ)2714

原審裁判年月日

 昭和50年10月13日

判示事項

 民法一一〇条にいう「正当ノ理由」がないとされた事例

裁判要旨

 他人所有の不動産について、その地人を代理して同不動産を譲渡担保に供し、自ら金員を借用した者が、右契約締結に際し、同不動産を担保として他から金融を受け入れることに関する契約書、同不動産の登記済権利証、所有者の白紙委任状、印鑑証明書等を所持しているなどの事情があつたとしても、相手方において、貸付金の半額以上が自称代理人自身の用途に充てられるものであることを知つており、他方前記契約書には同不動産を担保とする資金の借入を必要とする者はもつぱら不動産所有者自身である旨が記載されていたなど判示の事情のもとにおいては、相手方が自称代理人の代理権の有無について直接所有者に問い合わせるなどの調査をしないで、その代理人に右契約を締結する権限があると信じたのは、特段の事情のない限り、民法一一〇条にいう「正当ノ理由」があるものとはいえない。

参照法条

 民法110条

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