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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和53(オ)765

事件名

 工事代金預託等

裁判年月日

 昭和53年11月30日

法廷名

 最高裁判所第一小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 集民 第125号763頁

原審裁判所名

 大阪高等裁判所

原審事件番号

 昭和49(ネ)1895

原審裁判年月日

 昭和53年1月27日

判示事項

 注文者の請負人に対する目的物の瑕疵修補に代わる損害賠償債権を自働債権とし請負人の注文者に対する工事代金債権を受働債権とする相殺が当事者間の特約により許されないとされた事例

裁判要旨

 請負工事の目的物の瑕疵をめぐり紛争が生じたため、当事者間において、請負人のなすべき修補工事の内容を特定したうえ、注文者は予め弁護士である第三者に工事残代金を預託し、同人に請負人が右修補義務を履行したかどうかの判断権を委ね、右第三者がその履行があつたものと科断したときは、預託金を請負人に支払い、当事者双方は相互にその余の一切の請求権を放棄する旨を覚書で定めたなど判示の事情があるときは、注文者は自己独自の判断に基づき工事の目的物に瑕疵があるとしてその瑕疵修補に代わる損害賠償債権を自働債権とし請負人の工事残代金債権を受働債権とする相殺を主張することは、許されない。

参照法条

 民法505条,民法634条

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