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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和54(オ)1134

事件名

 転付債権

裁判年月日

 昭和55年5月12日

法廷名

 最高裁判所第二小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 集民 第129号637頁

原審裁判所名

 東京高等裁判所

原審事件番号

 昭和53(ネ)2288

原審裁判年月日

 昭和54年7月20日

判示事項

 一 不渡異議申立手続の委託に伴う預託金の返還請求権が手形債権者に転付きれた場合と支払銀行が手形債務者に対して有する反対債権をもつてする相殺の許否
二 第三債務者が民訴法六〇九条に基づき被差押債権の存在を認め支払意思を表明したことと相殺権の放棄

裁判要旨

 一 支払銀行に対し、手形の不渡異議申立手続を委託した手形債務者から異議申立提供金に見合う資金として支払銀行に交付された預託金の返還請求権が手形債権者に転付された場合に、支払銀行が右債権の差押前から手形債務者に対して有する反対債権をもつて被転付債権と相殺することが、預託金返還請求権の性質上制限されるものと解すべき理由はない。
二 民訴法六〇九条に基づき、第三債務者が、差押裁判所に対してした陳述において、被差押債権の「存在を認めて支払の意思を表明し将来において相殺する意思がある旨を表明しなかつた場合でも、その後、これを受働債権として相殺に供すること又は時効により消滅したと主張することを妨げるものではない。

参照法条

 手形法38条,民法511条,民法646条1項,民訴法609条,民訴法748条

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