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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和44(オ)1012

事件名

 抵当権設定登記抹消登記請求

裁判年月日

 昭和45年2月24日

法廷名

 最高裁判所第三小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 集民 第98号229頁

原審裁判所名

 名古屋高等裁判所

原審事件番号

 昭和43(ネ)696

原審裁判年月日

 昭和44年7月21日

判示事項

 登記の欠缺を主張することができないいわゆる背信的悪意者にあたるとされた事例

裁判要旨

 甲は、乙が代表者である丙組合と丁会社との紛争解決などのために、戊に合計九〇万円を融資し、その債務担保のため本件土地につき、戊から譲渡担保の設定を受け、一方、乙は、右のような事情から右担保権を取得した甲のために、その権利行使の障害となる根抵当権を自ら放棄したものであるなど判示事実関係のもとにおいては、乙は、その後戊との間で右放棄を合意解約(実質的には消滅した根抵当権を復活させる合意というべきである。)することにより、根抵当権の負担のない担保権を取得するに至つた甲の権利を害することは許されず、右合意解約が正当な理由に基づくなど特段の事情のないかぎり、甲が右担保権の取得につき登記を有しないことを理由に右合意解約を主張することは著しく信義に反するものであつて、乙は甲の右担保権の取得につき登記の欠缺を主張するについて正当の利益を有する第三者にあたらないものと解するのが相当である。

参照法条

 民法177条

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