裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
平成21(受)1661
- 事件名
損害賠償等請求本訴,同反訴事件
- 裁判年月日
平成22年9月9日
- 法廷名
最高裁判所第一小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
棄却
- 判例集等巻・号・頁
集民 第234号385頁
- 原審裁判所名
広島高等裁判所 岡山支部
- 原審事件番号
平成20(ネ)222
- 原審裁判年月日
平成21年6月18日
- 判示事項
土地の賃貸人及び転貸人が,転借人所有の地上建物の根抵当権者に対し,借地権の消滅を来すおそれのある事実が生じたときは通知する旨の条項を含む念書を差し入れた場合において,賃貸人及び転貸人が地代不払の事実を土地の転貸借契約の解除に先立ち根抵当権者に通知する義務を負い,その不履行を理由とする根抵当権者の損害賠償請求が信義則に反するとはいえないとされた事例
- 裁判要旨
土地の賃貸人及び転貸人が,転借人所有の地上建物の根抵当権者に対し,借地権の消滅を来すおそれのある事実が生じたときは通知する旨の条項を含む念書を差し入れた場合において,次の(1)〜(3)など判示の事実関係の下では,賃貸人及び転貸人は,上記念書の内容等につき根抵当権者から直接説明を受けておらず,上記念書を差し入れるに当たり根抵当権者から対価の支払を受けていなかったとしても,地代不払の事実を土地の転貸借契約の解除に先立ち根抵当権者に通知する義務を負い,その不履行を理由とする根抵当権者の損害賠償請求が信義則に反するとはいえない。
(1) 上記念書には,地代不払など借地権の消滅を来すおそれのある事実が生じた場合には,賃貸人及び転貸人が根抵当権者にこれを通知し,借地権の保全に努める旨が明記されていた。
(2) 賃貸人及び転貸人は,事前に上記念書の内容を十分に検討する機会を与えられてこれに署名押印又は記名押印をした。
(3) 転貸人は不動産の賃貸借を目的とする会社であり,賃貸人は転貸人の代表者及びその子である。
(補足意見がある。)
- 参照法条
民法1条2項,民法415条,民法第3編第2章 契約
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