裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
平成20(行ヒ)166
- 事件名
裁決取消請求事件
- 裁判年月日
平成22年11月30日
- 法廷名
最高裁判所第三小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
棄却
- 判例集等巻・号・頁
集民 第235号117頁
- 原審裁判所名
東京高等裁判所
- 原審事件番号
平成19(行ケ)3
- 原審裁判年月日
平成20年1月30日
- 判示事項
明石海峡航路北側の航路外で西に向かう甲船と東に向かう乙船が衝突した事故について,海技士である甲船の船長を戒告とした高等海難審判庁の裁決が適法であるとされた事例
- 裁判要旨
霧による視界制限状態にある明石海峡航路屈曲部北側付近の航路外で西に向かう甲船と東に向かう乙船が衝突した事故について,同事故は,航路内を航行していた甲船の船長が,航路屈曲部に設置された灯浮標を見落としたため屈曲部に沿って左に転針することをせず,レーダーにより前方に乙船を探知しながらその動静監視を十分に行わず,乙船と著しく接近する事態を避けることができなくなったのに,針路を保つことができる最小限度の速力に減ずることも必要に応じて行きあしを止めることもせずに進行した職務上の過失により招いたものであること,両船舶に損傷が生じ乙船の乗組員2名が傷害を負ったこと,乙船の船長も職務上の過失があるとして戒告の裁決を受けていることなど判示の事情の下では,海技士である甲船の船長を戒告とした高等海難審判庁の裁決は適法である。
(補足意見がある。)
- 参照法条
海上交通安全法15条,海上衝突予防法9条1項,海上衝突予防法19条4項,海上衝突予防法19条6項,海難審判法(平成20年法律第26号による改正前のもの)4条2項,海難審判法(平成20年法律第26号による改正前のもの)5条1項3号
- 全文