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高等裁判所 判例集

事件番号

 平成28(う)727

事件名

 有印私文書偽造,有印公文書偽造,建造物損壊,非現住建造物等放火被告事件

裁判年月日

 平成28年12月7日

裁判所名・部

 東京高等裁判所  第3刑事部

結果

 棄却

高裁判例集登載巻・号・頁

 第69巻2号5頁

原審裁判所名

原審事件番号

 平成24(わ)2075

判示事項

 差し押えたパソコンに対する検証許可状を得てサーバにアクセスし,メール等を閲覧するなどの検証をして作成された検証調書等の証拠能力を否定したものの,その他の証拠については,本件検証がなくても,捜査機関がそれらの証拠を取得することが可能であったと認められるため,本件検証と密接な関連性がないとして証拠能力を認めた原判決の判断が是認された事例

裁判要旨

 差し押えたパソコンに対する検証許可状を得て,差押え後に把握したパスワードを用いてサーバにアクセスし,メール等を閲覧,保存した警察官の行為は,検証許可状に基づいて行うことができない強制処分を行ったものであり,パソコンを差し押さえた捜索差押許可状にはいわゆるリモートアクセスによる複写の処分が許可されていたことなどを考慮しても,違法の程度は重大であるとして,検証調書等の証拠能力を否定したものの,弁護人が証拠排除を求めたその他の証拠については,本件検証がなくても,捜査機関がそれらの証拠を取得することが可能であったと認められるため,本件検証と密接な関連性がないとして,証拠能力を認めた原判決の判断は是認できる。

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