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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成15(行ウ)32等

事件名

 所得税更正処分取消請求事件

裁判年月日

 平成17年2月24日

裁判所名

 東京地方裁判所

分野

 行政

判示事項

 税務署長が,修正申告書に外国税額控除に関する所得税法(平成11年法律第160号による改正前)95条4項所定の記載事項を記載し,必要書類を添付して修正申告をした者に対し,確定申告書に同項所定の記載事項の記載や必要書類の添付がなく,外国税額控除を認めるための要件を欠くとしてした所得税の更正処分が,適法とされた事例

裁判要旨

 税務署長が,修正申告書に外国税額控除に関する所得税法(平成11年法律第160号による改正前)95条4項所定の記載事項を記載し,必要書類を添付して修正申告をした者に対し,確定申告書に同項所定の記載事項の記載や必要書類の添付がなく,外国税額控除を認めるための要件を欠くとしてした所得税の更正処分につき,同法において「確定申告書」には修正申告書は含まれず,同項は,確定申告書に所定の事項の記載等があった場合に限って,同法(平成13年法律第6号による改正前)95条1項を適用して外国税額控除を認めることとしたものであるところ,そもそも外国税額控除の制度の要件をどのように定めるかは立法政策の問題であり,前記の限定がされたのは,同項及び所得税法施行令(平成14年政令第103号による改正前)222条の規定により外国税額控除制度において控除限度額が設けられるとともに,所得税法95条2項,3項,同法施行令223条,同法施行令(平成14年政令第271号による改正前)224条及び同令225条により控除限度超過額又は控除余裕額の翌年以降の繰越使用が認められていることから,税額の計算の安定を確保し,もって租税法律関係の明確化を図るためであることなどからすれば,当該限定は,不合理とはいえず,憲法29条,31条及び13条に違反しないとした上,修正申告書に所得税法(平成11年法律第160号による改正前)95条4項所定の記載事項が記載され,必要書類が添付されていたとしても,確定申告書にそれらが欠けていれば,同項の規定する外国税控除を受けるための手続要件が備わっていないなどとして,前記更正処分を適法とした事例

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