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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成15(行コ)233

事件名

 各所得税更正処分等取消請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成12年(行ウ)第309号,平成13年(行ウ)第208号)

裁判年月日

 平成16年12月8日

裁判所名

 東京高等裁判所

分野

 行政

判示事項

 外国法人の子会社である日本法人の取締役が,親会社である当該外国法人から,同社の株式を一定の期間内に定められた権利行使価格で購入できる権利であるいわゆるストックオプションを付与され,その権利を行使して得た利益が一時所得に当たるとして確定申告をしたところ,当該利益は給与所得に当たるとしてされた更正処分が,適法とされた事例

裁判要旨

 外国法人の子会社である日本法人の取締役が,親会社である当該外国法人から,同社の株式を一定の期間内に定められた権利行使価格で購入できる権利であるいわゆるストックオプションを付与され,その権利を行使して得た利益が一時所得に当たるとして確定申告をしたところ,当該利益は給与所得に当たるとしてされた更正処分につき,前記外国法人のストックオプションは,同法人を基幹会社とするグループ企業の従業員等として優れた労務や意思決定能力を提供している者に報償を与え,同グループ企業における就労の継続と一層の職務の精励への動機付けを図り,これによって同グループ企業全体の業績向上又は同社の株価の上昇を図ることを目的とするものであって,従業員等に対し,労務の対価としてその権利行使益を得させる目的で付与されるものであり,その権利行使益は,従業員等としての地位から離れて付与されたものから生じたものではなく,労務の対価として付与されたストックオプションから生じたものであるから,所得税法34条1項所定の一時所得に当たるとはいえず,所得税法28条1項所定の給与所得に当たるというべきであるなどとして,前記更正処分を適法とした事例

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