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事件番号
 平成14(行ウ)156
事件名
 行政文書不開示決定取消請求事件
裁判年月日
 平成16年1月16日
裁判所名
 大阪地方裁判所
分野
 行政
判示事項
 1 刑事訴訟法(平成13年法律第140号による改正前)53条の2は憲法21条1項に違反しない。 2 「狭山事件」に関する証拠金品総目録が刑事訴訟法53条の2(平成13年法律第140号による改正前)に規定する「訴訟に関する書類」に該当し,行政機関の保有する情報の公開に関する法律の規定の適用がないとされた事例 3 「狭山事件」に関する領置票に記録された情報が行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条4号の不開示情報に該当するとした行政機関の長の判断に合理性があるとされた事例 4 領置票に記録された情報の単位 5 行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条各号所定の不開示情報に該当する独立した一体的な情報と同法6条1項に基づく部分開示の要否 6 行政機関の長が,「狭山事件」に関する領置票について,行政機関の保有する情報の公開に関する法律7条の規定による公益上の理由による裁量的開示を行わなかったことが違法ではないとされた事例
裁判要旨
 1 行政機関の保有する情報の公開に関する法律(以下,「情報公開法」という。)による具体的な情報公開請求権は,情報公開法により創設された権利というべきであり,国民等に対し情報の公開請求権を付与するか否か,いかなる要件の下にいかなる範囲でこれを付与するかについては,国家の立法政策の問題であり,その内容について当然に違憲の問題を生ずるものということはできず,仮に,情報公開請求権が憲法上保障ないし尊重されるとしても,公共の福祉による制約に服することはいうまでもなく,刑事訴訟法(平成13年法律第140号による改正前)53条の2が「訴訟に関する書類」を情報公開法の適用外とした制限は正当なものということができ,憲法21条1項に違反しない。 2 刑事訴訟法53条の2(平成13年法律第140号による改正前)にいう「訴訟に関する書類」とは,書類の性質・内容の如何を問わず,被疑事件・被告事件に関して作成された書類をいい,裁判所ないし裁判官の保管する書類に限らず,検察官・弁護人・司法警察員その他の者が保管しているものも含まれると解されるところ,「狭山事件」に関する証拠金品総目録は,「狭山事件」の捜査を担当する捜査機関が捜査の過程において,事件の証拠品一覧として作成したもので,同事件の事件記録の一部をなすものであるから,当該事件に対する判決が確定したか否かにかかわらず,刑事訴訟法53条の2に規定する「訴訟に関する書類」に該当suするとして,行政機関の保有する情報の公開に関する法律の規定の適用がないとされた事例 3 「狭山事件」に関する領置票に記録された情報は,証拠金品総目録,差押調書,領置調書等の記述等と実質的に同一内容のものであり,領置票が開示されることによって,当該被疑事件・被告事件の被疑者・被告人が各証拠品について差押え,領置等を受けた者等の氏名,当該証拠品の品名,数量等,当該証拠品に関する処分内容等が明らかになり,関係者の名誉,プライバシー等を侵害し,あるいは,他の事件の捜査の過程において,証拠品の所有者等が,上記のような情報が公開されることを危惧して捜査への協力を拒絶するといった事態が生じるなど,犯罪の捜査及び公訴の維持に対して支障が生ずるおそれがないということはできず,また,「狭山事件」については,現在再審請求がなされており,同事件の再審の審理に不当な影響を与える可能性もあるといえるから,行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条4号の不開示情報に該当するとした行政機関の長の判断に合理性があるとされた事例 4 領置票の記述等は,証拠品ごとに「表題」,「領置番号」,「事件番号」,「主任検察官」,「罪名」,「事件処分年月日」,「被疑者」,「受入取扱者印」,「処分取扱者印」,「最終調査者印」等の全証拠品に共通する記述等と,「受入命令年月日印」,「符号」,「品名」,「数量」,「領置物取扱主任官,歳入歳出外現金出納官吏受領年月日印」,「処分命令年月日印」,「命令要旨」,「てん末」の各欄,及び「備考」欄の記述等のうち当該証拠品についての部分等の当該証拠品に固有の記述等とが,全体として1個の情報を構成するものであり,領置票に記録された情報が行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条各号に掲げる不開示情報に該当するか否かを判断するに当たっては,各証拠品ごとの独立した一体的な情報が全体として同条各号に該当するか否かを判断すべきであり,これらの情報を構成する各記述等のうち,被疑者氏名,主任検察官氏名,各証拠品の品名・数量,受入取扱者印といった各部分ごとにその不開示情報該当性の有無を判断することはできないと解するのが相当である。 5 行政機関の保有する情報の公開に関する法律第6条1項は,不開示情報に該当する独立した一体的な情報を更に細分化し,その一部を非公開とし,その余の部分にはもはや不開示情報に該当する情報は記録されていないものとみなして,これを公開することまでをも行政機関の長に義務づけているものと解することはできない。 6 行政機関の長が「狭山事件」に関する領置票について,行政機関の保有する情報の公開に関する法律7条の規定による公益上の理由による裁量的開示を行わなかったことにつき,領置票に記録されている情報は,当該事件の公判等における個別の証拠開示等の手続によって行われるべきものと解するのが相当であり,また,領置票を開示することによって直ちに他の被疑事件・被告事件におけるえん罪ないし誤判が防止されるということは困難であると言わざるを得ないから,行政機関の長に裁量権の逸脱ないし濫用があったということはできないとして,違法ではないとされた事例
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