裁判例結果詳細
行政事件 裁判例集
- 事件番号
平成12(行ウ)309等
- 事件名
所得税更正処分等取消請求事件
- 裁判年月日
平成15年8月26日
- 裁判所名
東京地方裁判所
- 分野
行政
- 判示事項
外国法人の子会社である日本法人の取締役が,親会社である当該外国法人から,同社の株式を一定の期間内に定められた権利行使価格で購入できる権利であるいわゆるストックオプションを付与され,その権利を行使して得た利益が一時所得に当たるとして確定申告をしたところ,税務署長が当該利益は給与所得に該当するとしてした更正処分が,一部取り消された事例
- 裁判要旨
外国法人の子会社である日本法人の取締役が,親会社である当該外国法人から,同社の株式を一定の期間内に定められた権利行使価格で購入できる権利であるいわゆるストックオプションを付与され,その権利を行使して得た利益が一時所得に当たるとして確定申告をしたところ,税務署長が当該利益は給与所得に該当するとしてした更正処分につき,ストックオプションを行使して得られる権利行使益について,その具体的な発生の有無及び享受する額は,多様な諸要因によってその時々に形成された株式の時価及び行使者自身の判断による権利行使の時期という,多分に偶発的,一時的な要因によって定まるものであるから,親会社から同人に対して与えられた経済的利益であると評価することは相当でないし,仮に,親会社からの給付に係るものであるとしても,同人が親会社との関係で,子会社への労務の提供が義務付けられていたとは認められないことや,同人の子会社に対する労務の提供をもって,親会社に対する労務の提供と同視できないことからすると,「雇用契約又はこれに類する原因に基づき使用者の指揮命令に服して提供した労務の対価として使用者から受けた給付」であると認めることはできないから,同権利行使益は,給与所得に該当するとはいえず,一時所得に該当するものというべきであるとして,前記更正処分を一部取り消した事例
- 全文