裁判例検索

裁判例結果詳細

行政事件 裁判例集

事件番号

 平成13(行ス)60

事件名

 執行停止決定に対する抗告事件(原審・東京地方裁判所平成13年(行ク)第114号)

裁判年月日

 平成13年12月18日

裁判所名

 東京高等裁判所

分野

 行政

判示事項

 難民認定申請をしていたアフガニスタン国籍を有するハザラ人がした,同人に対する収容令書発付処分の取消しを求める訴えを本案とする同処分の執行停止の申立てが,却下された事例

裁判要旨

 難民認定申請をしていたアフガニスタン国籍を有するハザラ人がした,同人に対する収容令書発付処分の取消しを求める訴えを本案とする同処分の執行停止の申立てにつき,行政事件訴訟法(平成16年法律第84号による改正前。以下同じ。)25条2項にいう「回復の困難な損害を避けるため緊急の必要があるとき」に該当するというためには,収容に伴う身体拘束による自由の制限や精神的苦痛等の不利益を超え,被収容者の身体的状況,収容場等の環境その他諸般の事情により,収容を不相当とするような特別の損害を被るおそれがあることを要するとした上,同人が収容されていた収容場においては,その環境が過酷であって人道上容認し難いような状況にあるということはできず,また,同収容場の健康管理体制に照らすと,収容の継続が同人の健康にとって看過し難い状態をもたらし,同人に精神的肉体的に耐え難い苦痛を与えると認めることは困難であり,収容を不相当とするような特別の損害を被るおそれがあるということはできないとし,さらに,同人が難民認定申請をしているところ,同人が収容により,難民認定申請に関する準備及び立証活動を,通常の収容に伴う制約を超えて著しく妨げられるとまで認めることはできず,また,収容に伴う同人の精神状態が同人の難民認定に否定的ないし消極的な影響を及ぼすものとも解されないから,「回復の困難な損害を避けるため緊急の必要があるとき」に該当するとは認められないとして,前記執行停止の申立てを却下した事例

全文